サケとぼく

川の妖精サケリーナの兄弟たちをいただくとき、
自分の血となり肉となるその命に
ぼくは静かに感謝する。

一つの食卓で自然の命を分けあうとき、
同じ食卓を囲う仲間の
命がいつまでも光ることを
ぼくは静かに願って
今、共に在ることに感謝する。

うまい酒を呑むときは
酒をつくる人間が
命ある時間を費やして生む
あたたかな味を静かにいただく。

酌み交わす酒は
言葉にできないことを
言葉のいらない仲間と
呑むためにある。

サケとぼく。